【担当者的考察②】マンションってどうなの?その②

【担当者的考察②】マンションってどうなの?その②
不動産
マンションってどうなの?その②
~マンションのリフォーム・リノベーションについて~


マンションってどうなの?その①で明らかになったように、
日本の不動産市場にマンションが登場してから、まだ70年程が経過しました。

マンション市場は様々に進化してきました。

しかし、時代は新たな局面を迎えていきます。


さて、本日はここから担当者的考察を展開していきたいと思います。
あくまでも、担当者的な考察であることを悪しからず。

マンションについて知ろう①

マンションは、効率を重視した建築様式であるといえます。
具体的なポイントは以下の2点です。

①:土地の有効活用
②:コストパフォーマンス

この2点を効率的に実現している建築様式なのです。


少し、例え話をしてご紹介します。

とあるマンションはA~Fの6種の間取りが存在する、
総戸数70戸の中規模マンションです。


突然ですがここで皆様に問題です。

 
問題①:同じ土地を70区画の分譲するとどうなるでしょうか?

問題②:なぜ、間取りタイプは複数存在するのでしょうか?

問題③:70戸の各住宅設備が共通であるということはどのような利点が働くでしょうか?
    
   
 

マンションについて知ろう②

前述の項目で掲げた問題について解説をしていきます。
 
問題①:同じ土地を70区画の分譲するとどうなるでしょうか?

 
小人の街が出来上がります。
非常に小さい分譲地になるので住めるのは小人ぐらいなものでしょう。

土地分譲はその土地を整地し区分けし販売するものですが、
いうなれば平面(2次元)の取引です。

ですが、マンション分譲の場合にはこれが立面(3次元)の取引になります。


問題②:なぜ、間取りタイプは複数存在するのでしょうか?

多様性に応えるためであったとされています。

皆が皆、3LDKで暮らしたいわけではないということです。

団地型マンションの建設時には、階段を作るために左右反転の間取りが取り入れられました。
その後に、台所と居間を一緒にするLDKという発想が取り入れられ、
現在では書斎や納戸をDenやSと表記したりしています。

生活余殃式と用意される間取りはその時々によって変化してきたのです。




問題③:70戸の各住宅設備が共通であるということはどのような利点が働くでしょうか? 

メーカーからすれば大量発注頂けた方が生産性も高まりますし、
発注者からすればロット発注によるコスト削減もかないます。



これらの問題からもわかるように、マンション建設は効率的に土地活用を果たした、
優れたコストパフォーマンスを実現させた画期的な建築様式なのです。

マンションについて知ろう③

コストパフォーマンスを追求したため、大きな問題点が発生します。

内装仕上げまでもが画一的。
似たり寄ったりな内装のマンションが大量に生産されてしまったのです。


実際に、中古マンションをご覧頂いた方は感じたことがあるのではないでしょうか。


『どこも大体一緒だな。』

これは効率化を追求した結果、仕方がない事だったのです。

当時の生活様式では最新の間取り・設備でも、
いま現在では少し時代遅れなものも多くなってきました。

それらを刷新するための方法がリフォームやリノベーションです。
それでは次にこのリフォームやリノベーションを考えていきましょう。
 

マンションで行える工事。

今までの生活様式を刷新して新たなものを作りたい。
そんな風に考える方が多くなってきました。

工事の際に受ける制限が何であるかを明らかにすることで、
どのようなことを叶えることが出来るかお伝えしたいと思います。

【リノベーションの前提条件】

① 構造躯体への変更は行えない。  
  マンションは一戸当たりの広さは決まっています。
  構造躯体の間の高さと幅と奥行きは一切変更することが出来ません。
  汚水の排水管経路なども同様で、勝手な変更は認められません。

② 共用部(専有使用部)の変更は行えない。
  玄関扉・サッシ・排水の縦配管・ガスや水道のメーター部と引込配管などの
  火災報知機やインターホンなどの集中管理されている配線・器具
  マンションのエントランスや廊下・バルコニー・エレベーターなどの共用部
  こういった箇所への工事は認められません。

③ 規約に定められている条項を遵守する。 
  マンション管理規約の中で、内装工事について定めをしています。
  具体的には、床の遮音性に関する規制や、工事の際の注意事項など、
  仕様についての定めを確認する必要があります。
  また、工事申請についての定めもあり、事前に管理組合への届け出を求めています。
       
こうした前提条件を理解した上で、どのような工事を行うのか企画を練る必要があります。
 

リノベーションとリフォーム

フルリノベーション

専有部をスケルトンにしてから行う工事をフルリノベーションと表現します。
既存で存在している壁や床を解体し、躯体・配管配線の剥き出し状態にします。

ここから新たに、設計企画した壁や住宅設備などを配置して完成を目指すものです。

工事の際に受ける制約はありますが、その制約を遵守した上で企画を練るわけですが、
そこで実現できる仕上がり内容はかなり自由度の高いものになります。

詳しくは当店で作成している参考をご覧いただけるとよりご理解いただけると思います。

こちらから ⇒ マンションフルリノベーション動画


リフォーム

主に、住宅設備の更新、クロスの張り替えなどを行います。
工事規模自体がリノベーションに比べるとミニマムに済ませる方法なので、
低コストで行うことが出来る方法です。

その他にもクロスだけ貼りかえるなどすることで、印象を大きく変えることもできます。


総括

マンションにおけるリフォームリノベーションは、それまで画一的だったマンションを、
まるで注文住宅のようにこだわりの詰まった空間に変貌させることのできる手段です。

しかし、工事をする際に受ける制約があることを忘れてはならず、
有限の中で無限を楽しみながら、しっかりとした企画計画を行う必要があります。

方法論として、スケルトンから組み上げるフルリノベーションか、
工事個所を限定して問題解決を行うリフォームが存在するわけですが、
どちらを選ぶかが大きなポイントです。

既存住宅で行う計画か、中古購入時における計画かにかかわらず、
重要なのは、資金計画です。

どれだけの資金を投下できるかを明確に把握することで実現できる計画のスケールも決まります。

どんな工事が出来るのかを考えることも必要ですが、
費用をいくらかけることが出来るかを把握しておくことも重要なのです。

リフォームかリノベーションかお悩みの方もいらっしゃると思います。
こちらの動画がご参考になれば幸いです。
リノベーション講座きほんの『き』


さて、今回の担当者的考察はいかがでしたか?
あくまでも、担当者の考察です。ご検討の一助になれば幸いです。

具体的なご相談やご質問も受け付けています。
是非、お気軽にお問合せをお寄せください。
それではまた次回。

最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

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